4月末から5月初旬、10年ぶりに訪れたパリ。春の陽光が街を優しく包み、セーヌ川沿いでは花々が咲き誇り、まさにポストカードのような風景が広がっていました。昔も今も、パリはやはり美しく、訪れる人の心をつかんで離しません。
しかし、街の様子には明らかな変化も感じました。とにかく人が多いのです。観光名所や人気カフェには長蛇の列、歩道は団体旅行客であふれ、地元の人々がそっと眉をひそめる場面も。いわゆる「オーバーツーリズム」を実感しました。10年前はもっと静かで、生活の息づかいが感じられるパリがそこにありました。
それでも、美しい瞬間は確かにありました。夕暮れのセーヌ、シャンゼリゼで見上げた初夏の空。
変わってしまった景色の中に、変わらぬパリの息遣いを探す。それは旅人にとって、今の時代だからこそできる「新しいパリの楽しみ方」なのかもしれません。